Little AngelPretty devil 〜ルイヒル年の差パラレル

    “二度目の冬に…”
 



 陽射しも弱くて肌寒いのに、冬場のそれにしてはなかなか色味も深いまま、あっけらかんと晴れ渡った、縁起のいい青空へ届けとばかり。それはそれは澄んだ、伸びやかな良いお声がピンと立つ。

  「そ〜れ、キングっ。取って来〜いっ!」

 それへと応じた“わうわうっvv”というお元気なお返事も軽やかに。俊敏そうな四肢を弾ませて、芝草の緑が綺麗に整えられたお庭を“でででで…っ”と駆けてく、ちょいと大きめな毬のような毛玉があって。故意
わざとに意地悪をした訳ではないのだが、中庭を縁取っていた茂みを越えてしまった、レモンイエローのビニールボール。それだけをと目がけて駆けてった仔犬を追って、珍しくもコントロールが利かなかったのが気になってか、投げた張本人の小さな坊やも、お背せなにパーカージャケットのフードを弾ませながら、一緒に後を追ったれば、

  「あ………。」

 あ〜りゃりゃ・こりゃりゃ。茂みの向こうには、それを境界とするかのように竹の矢来垣が“とおせんぼ”とばかり巡らせてあって。その向こうには…来客の方々をお招きするホールとつながった、広々としたお庭が広がっているのが見渡せる。坊やとわんこが遊んでいたのは、当家のご家族がのんびりと息抜きをするところ、所謂“プライベートなお庭”であり、
「こりゃ困ったな。」
 今日はお客なんて来てないと、聞いてはいたがそれでもね。この垣根を越えて、勝手にわしわし踏み込んでもいいところじゃあ無さそうで。そっちにも広がってる緑の芝の上。真ん中辺りにポツンとね、アクセントみたいな黄色い真ん丸。坊やが投げたビニールボールが、何とも無造作に転がっているの。前後して立ち止まった一番手の方のシェルティくんが、追いかけて来た坊やの方へとお顔を振り上げ、きゅう〜んと鼻声で鳴く様子はまるで。この窮状を“どうしましょうか、隊長殿”と訊いているかのようでもあって。そんなおチビさん二人が困ったように覗いている気配が伝わったのか、

  「…あら。」

 窓が開いてたリビングからのお声がしてね。エプロン姿のお姉さんがお顔を覗かせ、お庭を見やった。それからこっちに顔を向け、
「あのボール、ボクの?」
 訊いてくれたのへと頷けば、にっこり笑って庭ばきをつっかけ、わざわざ出て来て下さって。おもちゃのボールを拾いあげて下さったもんだから、
「わぁあvv お姉さん、ありがとうvv
 カナリアみたいなそれは愛らしいお声での、お行儀のいいお礼の言葉。無邪気にも先に上げた坊やへと、お手伝いさんらしきお姉さんが、さくさくと芝草を踏み締めながら近づいて来て。ぽ〜んって投げてくれても良かったのにね、さあどうぞと、手渡しして下さる至れり尽くせり。
“だって、あのそのvv
 実を言えば。お姉さんの方でも、噂の坊やをまじまじと見たかったからに他ならず。下の高校生の坊ちゃまの、ちょこっと変わったお友達。まだ小学生という小さな坊やで、元はと言えば…奥様が“サロンで知り合ったお友達のところの坊やを見てやってて”と、やんちゃな次男坊へ押し付けたのが始まりなのだそうだけど。今じゃあそんなの覚えている人も稀なほど、ルイ坊っちゃんにと逢いに来たり、ルイ坊っちゃんが出先から連れて帰って来たりが当たり前な間柄。年の差が8つはあるというのも物凄いが、それより何より、この子の可愛らしい姿がいつもいつも、メイドさんたちの間では噂になって絶えることがなく。
“…ホント、凄っごく可愛いvv
 ハーフでもクォーターでもないのに生まれつきだという金色の髪は、それはそれはやわらかそうで。こちらも日本人のそれとは思えぬような、深みのある真っ白い肌によく映えて愛らしく。この年齢にしては小さめの、華奢だが伸びやかな肢体をしており。ちょっぴり利かん気そうな力みと冴えの張った双眸は、光がそのまま結晶になったような、宝石を思わせる金茶色。つんとした小鼻とするんとした頬の輪郭から視線を降ろせば、何かしらのお花の蕾を思わせる、形の立った緋色の口許が、表情豊かに笑みを象
かたどり、
「お掃除のお邪魔をしてごめんなさいです。」
 かっくりこと、小首を傾げる所作もまた、何ともキュートに決まっていたので。言われた台詞の内容へとお姉さんが気づくのに、ついついワンテンポ遅れたほど。
「あ…あっ、いいいい、いいのよ、そんな。それより、お怪我をしないようにね?」
 慌てたように自分のお仕事を思い出し、それでも名残り惜しそうに時々振り返りながら、元来た方へと戻ってゆくお姉さんで。

  「…いいのかなぁ。確か、ルイのおばちゃん。今からお出掛けのはずなのに。」

 葉柱夫人といえば、都議である夫の良きパートナー、ある意味で“右腕”として、社交の場での顔つなぎなどへと様々に奔走なさる忙しい身でありながら、屋敷の中のお仕事についても、メイドさんとか執事のおじさんにばっかり任せっきりにしない人なので。細かいことへガミガミ言う人ではないながら、なのに、意外なくらいきっちりと、あちこちへ目を配ってる奥方でもあって。
「こんなところでサボっていたら、きっと叱られるぞ〜。」
 天使のようにそれは無邪気に、にっこり笑ってるお顔のまんま。こうまで離れれば声は聞こえなかろうからと、やれやれって口調になってる使い分けの見事さよ。
“だって、前にも言ったろが。”
 ええそう、確かに言ってましたよね。女性の前では殊更に、稚
いとけなくも頼りなさげに振る舞った方がいいのだと。そうした方が喜ばれて角も立ちにくいと。それをまた、あなたみたいに愛らしい子がやるんだから、効果だって絶大なんでしょうけれど。けどでもあのね? そゆことばっかやっていて、本音を隠し通すのへ…気疲れしたりはしないのでしょうか。
“それはないな。”
 もしかせずとも…以前なら。きっと多少は口ごもったろうにねぇ。いやにすっぱり言い切ってから、
「…あ、おう。もう一回な。」
 下げてた手の甲を、キングにぴろりんと舐められて。我に返ると“取って来い”の続きを再開。
「そぉ〜れっ!」
 振り返りざま、大きく振りかぶって、駆けて来た方へと戻るよう、ひゅんって勢いのある直球を投げてやれば。その軌道を追って、弾丸みたいに茂みを飛び出してったキングの素早さが小気味いい。負けじと自分もがさごそ・ばさばさ、ツツジかアジサイか、名前までは良く知らない、低い木の茂みを掻き分けて出てくれば、

  「…お前な。」

 おやや。お耳に心地のいい、馴染みのあるお声がぽ〜んって放られて来た。戻ったお庭の、リビングルームの大窓からお外へ出られる辺りにて。キングが盛んに“はうはう…”と後足で立ってまでじゃれつくのをいなしながら、ぬうと立ってたお兄さんが一人。まだ冬休みだからの普段着の彼であり、その大きな手には、キングがご所望のボールが握られているところから察するに。お庭へ登場したそのタイミングに、顔へでも当たりかかったビニールボールを、お見事に受け止めた次男坊であるらしく。
「あ、悪りぃ悪りぃvv
 あんまり実のなさげな“ごめん”を繰り出す坊やを眇めた眼差しで見やってから、
「…お前もだぞ、キング。」
 とうとうトレーナーの袖口あたり、あぐあぐと食いついて離れぬ愛犬へも“こいつはよぉ〜”という眸を向ける。遊んでもらっていた坊やへと、お兄さんが持ってる蛍光色のボールを持って行きたい彼なのに違いなく。判ったから離しなさいと、鼻先へボールを持ってゆけば、たちまちパッと口を離した現金さよ。
「いい子だぞ、キングvv
 咥えたボールを坊やの手元へ。たかたかと駆けてって“どうぞ”と進呈。恐らくはずっとずっと同じことを繰り返して遊んでいた彼らだろうに、
“良くもまあ飽きないねぇ。”
 案外と子供な面もあるのが判ると、この子に限っては…そりゃあもうもう意外で意外で。言えばムキになるだろから言えないがと、その代わりのよに苦笑をしつつ。葉柱のお兄さんもまた、茂みから出て来た坊やの傍らまでを運んでやって。
「おばちゃん、お出掛けしたのか?」
「まぁな。」
 家に居るならお見送りするのが、この家のしきたりなのでと、坊やを待たせて玄関まで出ていたお兄さん。来てたんならお前にも逢いたかったのにって、残念がっとったぞ?と続ければ、
「う…ん、まあな。」
 都議である父上の後援会の皆様が主催した、激励会を兼ねた新年会へとお出掛けになる用意に勤しんでらした奥方だったので。お愛想の1つも振ることで、貴重なお時間を削っていただくようなお邪魔をしちゃあいかんだろうと思ったし、
「お迎えの人も来てたんだろ?」
「? ああ。そうだが?」
「こんなチビちゃいのが出入りしてるだなんてこと、外に漏れたらどう思われっかだろうがよ。」
「…そっかなぁ。」
 確かに、この家の息子たちとはあまりにも年齢が掛け離れた“小学生”ではあり、なんでまたそんな存在が、我が物顔で出入りしているやらと。色々と憶測されちゃあ困らないかって思った坊やだったらしいのだが、
「親父がどっかに作った子供だって誤解されないかってことならよ、ここまで似てねぇんだから、そっちの誤解はまず受けねぇと思うんだがな。」
「…自分の父親だろうに臆面もねぇのな。」
 それこそ、大威張りという表情になって…ふふんと肩を聳
そびやかしたお兄さん、
「ウチの親父は知略で周到な策をあれこれ固めるタイプじゃねぇ。今時の政治家には珍しいほど大雑把で、列伝に名を残しそうな昔風の豪傑だが、それにしちゃあそっちの甲斐性はないからな。」
 よそに女なんて持ったって、隠していられる演技力なんか無いからなと。ますますと胸を張って見せ、
「しかも。親父の方からおふくろにべた惚れして結婚したらしくてな。一緒になってくれなきゃ此処を動きませんと、議会放っぽり出してまでおふくろの実家の前へ座り込んだのへ、しょうがないわねぇっておふくろが折れて一緒になったって伝説もちの間柄でな。」
「………だから、自慢してどうすると言うに。」
 こっちが赤くなるよなお話にての、結局は身内自慢かよと。引き寄せたシェルティくんとお顔を並べて聞いていた坊や、
“俺が心配してやったのは、別口の醜聞なんだがな。”
 こんな小さい子供をはべらす趣味があんのかと、他でもない次男坊さんこそが、お父様の敵対派閥から余計なお世話の醜聞の標的にされないかと案じてしまったのだけれども。
“それはさすがに、考え過ぎだよな。”
 例えば衆議院議員選挙クラスの話ならいざ知らず、兄弟揃ってアメフト大好きだってこととか、バイクも好きな次男は“族”なんか張ってたりすることまでも、ご家族ぐるみでのあれこれを選挙民に知れ渡ってて久しいご一家だったりするのだからして。今更そんなものまで持ち出すよな奴なんて、それこそ勘ぐりのし過ぎ、相手の揚げ足取りにも程があるぞよと評判を落とすばっかかも知れずだと思い直して…くすすと笑う。


  ――― んだよ、急に今度は笑ったりして。
       べ・つ・に。そっか、だったらご挨拶くらいはするんだったかな。
       今日はあいにく、陽のある内には帰って来れねぇとよ。
       ふ〜ん、それじゃあしょうがないか。


 また日をあらためてなと笑ったお顔は、今度こそは素直な笑顔。知り合いの大好きな伯母ちゃんのことを屈託なく話す、ごくごく普通の子供のお顔。けぶるような睫毛を伏せがちにして、やわらかに細められた目許とか。優しい表情が乗って持ち上がった、形の立った可愛らしい口許だとか。目映いくらいの…ってのはこういうのを言うんだろうなというほどの、それは可憐で甘やかな、優しくも愛らしい代物だったものだから。

  “日頃からもこういう顔でいりゃあいいのによ。”

 思いはしたが、やはり言わない。親しい相手にこそ可愛げのないまま、生意気全開で突っ張って見せるのは、気丈な彼の唯一の気晴らしや鬱憤解消の場だろうから。それと…憎まれを言ったとて突き放されない、そんな安心感があってこその、彼なりの“甘え”だからと、気づいてしまった葉柱だからね。よっぽど度を超さない限りは、対等な応酬こそすれ、その有り様へと深く分け入ってまでの説教はしない。

  ――― 正月はどうしてた?
       ん〜と、武蔵とか阿含とか雲水とかが挨拶に来て、遊んでもらった。
       ほほぉ。
       あと、おミズのお姉さんとか、婦警さんたちとの新年会とかがあって。
       成程ねぇ。
       3日はライスボウルを観に、東京ドームまで行っただろ?
       あ、やっぱあれってお前だったか。
       何だよ、見かけたんなら声かけりゃいいのに。
       桜庭や進と一緒で、しかも人垣に囲まれてやがったろうがよ。
       だからこそ、俺だけでも脱出したかったのによ。

 結構お調子の良いことを言い、セナと二人して連れてってもらったは良かったが、帰りが大変でさと、大人のように肩をすくめて見せた坊やだったものの、

  「………ん?」

 おやと。話とは別に何かに気がついたらしき総長さん。腰をかがめ、大きな手のひらがそぉっと伸ばされて来て。
「? 何?」
 顔へと伸びて来た手だっていうのにね。反射で避けないところが、こちらも慣れて来た証し。頬の上、目元に近い辺りへ親指の腹でぐいっと撫でられた途端、ちりっと淡く痛みが走って。
「そこの茂みで引っかけたな。」
「あ…。」
 白い頬の縁近く、それは細い筆でためらいなくすっと撫でた跡のような、真っ直ぐの赤が、仄かにぼかされて浮いており。
「すぐ眸だぞ、眸。」
 何で気がつかないかな、危ねぇ奴だ。言いつのりながら、葉柱がわざわざの両手で、小さなお顔の頬を両側から包み込んだのは、いやいやと逃げようとしかかったのを捕まえるためだったけれど、
「こんなん、唾つけときゃ治るって。」
「…お前って時々、顔に似合わなさすぎることを言い出すよな。」
 消毒だお医者だと慌てるほどじゃあないのは確かだ。とはいえ、こんなにも愛らしいお顔に傷がついたってのに、それって頓着が無さ過ぎやしないかと、それこそ乱暴さでは負けてなかろう葉柱が飽きれたのだから凄まじく。
「唾ったって、舌が届かんだろうによ。」
「はははっvv ルイだったら楽勝だよな♪」
 何も舌で直接舐めなくてもいいんだってばと、言いながら自分の指先を舐めようとしかかった…そのタイミング。


   ――― ……………あ。/////////


 上体を倒して屈んでたその腰を、もう少しほど落としてから。見慣れたお顔が近づいて来たと思ったら、ふわって…視線が少し逸れたすぐ後に頬へと柔らかい何かが触れて。いつもの“ちうvv”と違ったのは、明らかに故意に“ぺろっ”と舐められた感触があったから。

  「…な、なにしやがんだっ!////////
  「あ? 代わりに舐めてやったんだろが。」
  「余計なこと、してんじゃねぇよっ!/////////
  「何だよ、そんな怒んなよ。俺よかキングに舐めてほしかったのか?」
  「そんなこと…っ。///////
  「けどな〜、こいつは止めといた方がいいぞ?」

 そこらの木だの柱だのまで齧っとるからな、雑菌が入る可能性が高すぎる。しれっとそんな的外れなことを言い出す、相変わらずの総長さんへ、

  「こんの、大バカ鈍感カメレオンが〜〜〜〜っ!////////
  「何だと〜〜〜っ!」

 言うに事欠いてキングに舐めてほしかったのかだと? 人を自分と一緒の変態にしてんじゃねぇよっ。なっ、言わせておけばいい気になりやがって、表へ出ろっ。ばかルイ、とっくに表だっての。ああ言えばこう言うところが可愛くねぇっ。当ったり前だ、同じ言いようを繰り返すしか出来ねぇような、九官鳥じゃねぇんだ、俺はっ。喧々囂々、丁々発止。日に一度はこういう諍いをしないと気が済まない人たちなんだろかと、俎上に上がりかかってたキングが、すぐ傍らでお座りをしたまま、きゅうう?と小首を傾げて見上げる先にて。大人みたいな生意気な子供と、お大人げなさすぎる青年とが、結構本気の言い合いを繰り広げていたのだけれど、


  「…で。なんでそんな顔赤いんだ、お前。」

  「……………っ!/////////


 相変わらずに鈍いんだか鋭いんだか。洗練されてないし粋でもないけど、そういう野暮なところが暖かいから、妙に気を引く、想いが残る。ややこしい人に惚れてしまったことが、悔やまれるやら…擽ったいやら。
“チョー鈍感なくせして、人の意表を絶妙に衝きやがってよ〜〜〜。////////
 と。複雑微妙に掻き乱されてる胸の裡
うちこそ、世間様では“恋模様”とか呼ぶんですのに。そこまで認めるにはまだ早いのか、とりあえずは…ぐうの音も出ないカッコで一本取られた悔しさへ、むむうと膨れた金髪の坊や。今年もまたぞろ、色々と勃発しそうでございますが、どうか二人とも…仲良くね?










  clov.gif おまけ clov.gif



 後援会の方々が、派閥仲間の皆さんを集めたという会場までの道をゆく、お抱えベンツの後部座席に落ち着いて。様々なスケジュールを記したスリムなデザインの手帳を、丁寧にチェックなさっておいでだった葉柱夫人。今日の段取りをきっちり確認なさってから、ポーチへと収め直して…さて。
“ヨウちゃんのお顔を見られなかったのは残念だったわね。”
 しゅっとスリムな肢体の可憐さ。やわらかそうな金の髪に、金茶の瞳の何とも愛らしいことか…といった、お人形さんのような外見をもって、可愛らしいと愛でているだけな夫人ではないらしく。
“まだ九つだってのに、頼もしいったらありゃしないんですものね。”
 次男坊やらメグさんやら、はたまた執事の高階さんなどなどから漏れ聞いただけでも、そりゃあもうもう様々に。まだ小学生だってことが信じられないくらい、世間も知ってりゃ機転も利くし、行動力にも長けていて…といった、彼が“スーパー小学生”である事実は十分に伝わって来ているし。あの年齢で情報網の把握や利用の仕方をよくよく心得ており、しかもどうやら度胸も座っているらしいと来て、末恐ろしいというか先が楽しみだというか。味方である限りは、間違いなく頼もしいことこの上もなく。

  “しかもあの美貌ですものねぇ〜〜〜vv

 今度こそは…ついついミーハーっぽくも、指を組んだ両手を頬へとくっつけて“や〜んvv”なんて、年甲斐もなくはしゃいでしまう都議夫人だったりし。
(苦笑)
“先々では是非とも、ルイちゃんの頼もしい参謀
ブレインに加わってほしいものだけれど。”
 政治家になろうと、はたまた親と同じ道は選ばなかろうと。しっかりした片腕だとかパートナーだとか、信頼のおける懐ろ刀的な人物は誰にだって必須だと思ってやまない夫人だったりし。親分肌なところは父親似で、申し分ない器量もあるが、いかんせん…人が善すぎるのが何とも危なっかしいと踏んでる次男坊。だからこそ、技量豊かで頼もしい人材をとついつい思ってしまうのは、もしかしたらば遅くに出来た子への相変わらずの過保護な親心の発露かも?

  “…そうね。”

 それがダメならダメでも、あのね?
“ヨウイチくんがお年頃になる頃には、もしかしたらば日本でも、同性同士の結婚が認可されてて普及もしているかもだしvv
 ああ、そうなっていたらば、それこそ…こちらから輿を仕立ててのお出迎え。床に両手をついてでも、どうかウチの不束な息子へ嫁いでやって下さいませと、なりふり構わず切望懇願する覚悟は出来ていてよと、妙なことへの決意も新たに、新しい年の初めへと毅然とお顔を上げたお母様。………そういう制度は10年やそこらではなかなか無理にしても、大丈夫ですことよ、お母様。少なくとも10年先の彼らだったら…と、ついつい告げ口したくなった筆者だったことを、ここにちょこっと書き足しておきたくなった、付け足しだったりするのであった。
(ちょんっ☆)



  〜Fine〜  06.1.12.


  *チビ蛭魔くんもお元気ですよというご挨拶をvv
   そういや、本誌にお父さんの陰がチラリしたそうで。
   あのキテレツな人の素性も、いつかは明らかにされちゃうんでしょうか。
   誕生日や血液型とかなら知りたいかもと思うけど、
   なんかもう、家族とか兄弟とかは、謎のまんまでも良いような気がしてます。
   昔懐かし『シャンペン・シャワー』のジョゼさんみたいに、
   明らかになってもやはり謎な家族とか…?
(苦笑)
   (あああ、また年齢がばれるようなネタを振る。)


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